変わらない日本の政治、自民党って何だろう? 情報弱者の僕が衆院選で抱いた違和感
僕が子供の頃(つまり昭和の時代)、天気予報は当たらないことが前提だった。でも今の天気予報は驚くほどに正確だ。翌日だけではなく一週間や二週間の長期予報も、日本列島は寒気に覆われますとか関東甲信越にようやく雨が降るようですとか、昔ならありえない確率で天気を予測し、そしてほぼ的中する。特にこの20年で、天気予報は圧倒的に進化した。
初代iPhoneがアメリカで発売された年も19年前の2007年。日本でのスマホ所有率は2010年で3%だったが今は90%を超えている。媒体別広告費においても、インターネットがテレビを超えたのは2019年で、テレビに新聞、雑誌。ラジオという4媒体の合計を超えたのは2021年。とにかく時代は変わっている。
今のこの瞬間はもうすぐ過去になる
今の秩序もやがて消える
今の最初のものも、やがて最後になる
だって時代は変わりつつあるのだから
時代は変わる、でも・・・
情報環境と情報システムはこれほどに変わったのに、僕も含めて多くの昭和生まれはその実感をなかなか持てない。時代は変わる。それは昔も今も同じ。でもその速度が違う。InstagramもTikTokもやらず、一日3回は「パスワードを忘れました」をクリックする僕は、間違いなく情報弱者だ。
2月8日に投開票が行われた衆院選は、与党の大勝利と野党第一党の壊滅的敗北という結果になった。それが2026年の日本政治の始まり。自民党の支配は盤石だ。ならば世界はどうか。

高市早苗首相と自民党役員=自由民主党のホームページから
名目的な民主主義国家を別にしてとりあえず民主国家では、ほぼ例外なく普通選挙が行われている。その帰結として政権交代は頻繁に起きる。直近だけでも、アメリカやドイツ、韓国やベルギー、ポーランド、バングラデシュ、南アフリカに台湾など、政権交代は多くの国で起きている。
当然だろう。ずっと同じ政党が政権与党の位置にあるのなら、一党独裁の中国や北朝鮮と何も変わらない。
ただしこれまで政権交代がなかったわけじゃない。戦後においては1993年(細川護熙連立政権)と1994年(村山富市連立政権)、そして2009年(鳩山由紀夫民主党政権)の三回起きている。
長続きしない非自民政権、呪いなのか?
でもおよそ80年間でたったの三回。しかも細川政権から羽田政権を挟んで村山政権に至る過程は、「55年体制の崩壊」と「非自民連立の試行錯誤」という共通する文脈を持つ連続的なプロセスとして見ることができるから、この国は実質的な政権交代を二回しか経験していないと考えることもできる。
しかも非自民政権は長続きしない。村山富市政権時代には阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が立て続けに起り、菅直人政権時代には東日本大震災が起きて、急上昇する社会不安を背景に政権与党への不満やうっ憤が飽和し、自民党は早々に政権与党へと復帰した。
下野したら天変地異。この国には自民党の呪いがかけられていると本気で思いたくなる。2012年以降は第二次安倍政権が始まり、一強政治の時代となる。第一次から第4次までの安倍首相在任日数は8年8カ月21日で、歴代では圧倒的な1位だ。
この期間に安倍政権は、特定秘密保護法を成立させ、集団的自衛権の行使も可能にし、公文書管理システムを破綻させ、立憲主義・平和主義・報道の自由・説明責任といった戦後民主主義の根幹を、圧倒多数による強行採決と閣議決定を背景に、次々と骨抜きにする施策を行った。
企業収益の改善や株価の大幅上昇をもたらしたアベノミクスは一時的には評価されたけれど、実質賃金は上がらず貧富の差は拡大し、国債は膨張して国民の生活はさらに窮乏した。
その後遺症は今も色濃い。昨年の参院選で自公政権は大きく票を減らしたけれど、政権交代には至らなかった。そして今回の衆院選で自民党は党始まって以来の議員数を獲得した。
だから(今さらだけど)考える。自民党って何だろう。日本にとってどんな存在なのだろう。